金玉大迷宮

綴ります

WHITE ALBUMの季節in2023

 

どうもこんにちは

 

今年ももう終わりということで久しぶりの記事更新となります

去年あたりから昔引退したはずの天鳳とかいう陰湿なゲームに囚われていましたが、8月頃に爆速チャオかまして無事引退できました

おかげさまで9月からは積んでいたエッロゲーム消化が捗りました

結果積みゲーの数はむしろ増えました。どうして

 

 

まあそんなわけで積みゲー消化をしていた4ヶ月でしたが、今年の締めにして今回感想記事を綴らせていただく作品が

WHITE ALBUM2

はい。有名な作品ですね。もう10年以上前の作品ですが、未だにこの時期になると話題になっているのをよく見かけます。

初代のほうのWHITE ALBUMに至ってはもう四半世紀前の作品ですが、こちらのほうはあまり話題聞かないですね(自分も未プレイ)。

初代のほうはアニメ版を当時観ていたのですが、主人公がクソムーブしてて途中で観るのやめた記憶があります。

一方2に関してはいずれプレイするつもりだったのでアニメ版は未視聴のままです。

とはいえ有名な作品なのとWHITE ALBUMの名を冠していることで、どういう作品なのかは大体見当がついていました。

 

まあ蓋を開けてみたら「思ってたのと違う」となりましたが。

 

 

以降ネタバレあり

 

 

 

普通三角関係とか浮気の話となると、黒い感情が渦巻いてぶつかりあったりする修羅場が多発するものだと思うのですが、この作品の奴らはどいつもこいつも「私が悪い」「最低だ私」と我慢大会の最低人間コンテストをはじめてくるのです。まあその空気を生み出しているのは主人公の春希なのでしょうが。

そしてそういうお互いに我慢しあってる状態、あるいは感情を我慢できずに起こした行動がことごとく最悪の状況を手繰り寄せてきます。

正直な話これを眺めていた自分の感想としては、辛いとか悲しいよりもまず、「何してんだこいつら...」って感じでした。

感情としては理解できるのですがやってることがヤバすぎて感情移入を阻害してくるんですよ。

主人公含むメイン三人は特にこの傾向が強いですが中でもダントツなのが雪菜。いろんな感情や望みが渦巻いているのでいろんな方向から最悪を手繰り寄せてきます。

「どうしてこうなっちゃうんだろう」じゃないが。

 

この作品についての評価で「胃が痛くなった」「二度とやりたくない」「何度も泣いた」「感情がぐちゃぐちゃになった」等の評をよく見かけていたのですが、自分の場合は主に前述の理由によりこれらをあまり味わえなかったです。

あくまで世間の評価ほど浸れなかったというだけで、何度も心を揺さぶられましたし良く出来た作品だとは思いますけど。

千晶が感情移入できない理由とは多分ちょっと違いますがだいたいこれ。

 

・北原春希について

最低のクソです。

決断力のない優柔不断で未練たらたらなへなちょこ野郎です。

ただ彼が世に蔓延るダメ主人公たちと比べても最低かと問われるとそうでもないんじゃねとも思います。

ぶっちゃけこのゲームじゃなければ普通にいいヤツという扱いになっててもおかしくないので...

彼はなにやら複雑な家庭環境を過ごしていたようで、その環境がそうさせたのかは謎ですが、やたらと他人を気にかけ余計なお節介を焼きます。

そうやって誰に対しても誠実であろうとするのですが、結果恋愛という誰か一人しか愛することを許されない状況に葛藤し苦しむことになります。

のるな春希!戻れ!

 

まあ彼の場合恋愛に関しては一人相手にも誠実になりきれないのですが。

特にヒロインが彼を想っての行動に対して、こんな俺なんかがそんなに想われてるわけがないとか考えて、その想いを汲み取らないのはとんでもない不誠実で許容できません。気持ちは分からなくもないですが。

他にもダメな部分はいくらでもある彼ですが、それでもそんな彼を嫌いになりきれないのは、最低な自分をどうにかしようという意志があり、真剣に考え続けているからでしょう。

何を当然のことを言っているんだと思うかもしれませんが、これをロクにしないままの主人公って意外と多い気がします。

どの個別ルートでも彼に決断させているのは好印象でした。

 

まあでもやっぱうんこだわこいつ。

 

 

・好きなキャラ、ルート

全部のキャラやルートについてがっつり語りだしたら114514文字でも足りなさそうなので好きなキャラとルートについて。

 

好きなキャラは武也と孝宏、編集部の面々とそれと曜子さんあたりですかね。

全員サブキャラじゃねえかと思われるでしょうがメインキャラがヤバいムーブばかりかましてくるから仕方ないだろ!

 

個人的に好きなルートを挙げるならかずさと小春あたりでしょうか。千晶ルートもメタ視点っぽくて面白かったですが。

小春ルートとかずさルートについては少し掘り下げます。

 

・小春ルート

武也曰く『小春希』な小春のシナリオ。

春希そっくりな彼女のルートなので、ここでは特に誠実の在り方とかが焦点になってたりなかったり。

お前が言うな。

 

ぶっちゃけこのルート、道中の胸糞展開は普通に不快でしたし、小春の親友(名前忘れた)も単純な地雷度では作中ナンバーワンまであります。それでも放っておかないのが小春希たる所以でしょうが。

 

このルートで好きなところは、春希とそっくりな彼女が同じように誠実の在り方に悩みつつも、春希を選び他を捨てる覚悟を見せたところです。

春希と似ていながらも彼よりもほんの少し何かを捨てることが出来るのが小春、春希と似た部分がありながらも彼以上に捨てられないのが雪菜という印象です。

もちろんそれぞれが抱えているしがらみとかは異なるので一概には言えませんが。

というかこっちからしたらあんな親友切ってしまえって感じですし。

 

やっぱりお前はうんこだな(森山直太朗

 

あと雪菜との決別シーンもとても好きです。決別用BGMの『Answer』(ヴォーカル入り曲も存在するらしい)が各ルートで流れるのですが、このルートは特にその入りが秀逸だと思いました。

もちろん小春のもとに雪菜が現れた時点で察してはいましたが、実際に告げられたタイミングでBGMが流れ出すのは思わず震えました。

このシーンはとても好きなのですが、雪菜はやらかしそうになってた模様。我慢できてえらい。泣いてるとこ見せるくらいなら別にいいと思います。

 

 

・かずさルート

かずさルートは2種類ありますがトゥルーのほうを取り上げます。

まず自分が雪菜ルートよりかずさルートのほうが好きな理由なのですが、単純にかずさ派というだけではなく、所謂ハッピーエンドというのがあまり好きではないからなんですよね。

決断と決別を求められてきたこの作品においては、全てが丸くおさまってしまうのはなんか違うだろと思ってしまいます。もちろんだからこそ真のハッピーエンドがあってほしいと思う人もいるでしょうしおそらく多数派でしょう。

 

ですが、どれだけ丸く収めても、全員が幸せになれる結末であっても、選ばれなかったヒロインにとってはベストではないのです。

どれだけ犠牲にしても、多くの人を不幸にしようと、その果てが所謂バッドエンドだろうと、彼女にとって最も幸せな世界はそこにしかないのです。

 

前回の記事で『紙の上の魔法使い』という作品を取り上げましたが、この思想を強く感じました。あのライターのハッピーエンド観(?)はバグっているので。

じゃあなんで妃じゃなくてかなたちゃん推しなんだよって?かわいいからだよ馬鹿野郎(怒)

ここすき

 

それはさておきこのルートの話ですが、決断によって壊れていく過程が描かれていくのも良かったです(よくない)。

失ってはじめて武也のことを本当の親友だったと改めて認識するところとかも、切なくてとても自分好み。

個人的にはどうせだったらもっとバッドエンド寄りでもよかったと思うのですが、この作品ではちょっとだけ優しい世界が展開されます。まあこれはこれで。

 

そしてこのルートの雪菜に関してですが、ぶっ壊れます。おそらく壊れたフリでしょう。

全てを捨てて気をひこうとしますが結局捨てきれなかったといった感じでしょうか。捨ててしまったらそれはもう雪菜ではないですし。

とりあえずいちいちやることが極端すぎてぶっちゃけ引いてました。手を壊そうとしたかずさも極端すぎてお互い様ですが。

やりすぎて逆に感情移入できない現象起きてるのってもしかして自分だけですかね?

ラストのギターは好きです。

 

 

とまあそんなわけで総評としては合わなかったけど面白かったという感じでした。

恋愛エロゲー最高傑作との声も多いのも納得の出来。普通だったらこんなアホみたいな三角関係の話をこんなアホみたいな長さでやられたら途中で完走する気無くしそうですが、しっかり最後まで読ませてきただけでもおかしな作品です。

自分がちゃんと感情移入できたら最高になってたかもしれなかったのが悲しい。

 

 

ではまた。よいお年を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

†小木曽雪菜について†

ひっそり加筆。

年内のうちに記事あげときたかったのと、このキャラについてあまり言及したくなかったので避けていましたが、まあ書かないわけにはいかないでしょうということで。

 

おそらくお察しのことと思われますが、自分はこのキャラが苦手です。

健常者のフリをしたクレイジーサイコエゴイスト。

そのエゴ自体は幸せな世界を望んでいるので一見素晴らしいように見えますが、独善的なうえにどう頑張っても無理が生じるふざけた理想の押し付けでしかないです。結局雪菜トゥルーではかずさに対して(妥協させたとはいえ)拷問を押し付ける形になってますしね。

三人の友情とそのうちの二人の恋愛は両立できないという事態に対して、無理やり両立させようとするのが雪菜。舞台から降りようとするのがかずさ。二人に翻弄されて最悪の選択をしてしまうのが春希。

ICでの雪菜のかずさに対する行動を要約すると、

「このままじゃ春希くんがかずさのものになっちゃうから、私が先に告白して私のものにしちゃったけど、これからも三人仲良くしようね!」といった感じでしょうか。

これを嫌がらせでやってるならただの性格悪い女なのですが、全部本心なのがタチが悪い。こわい。

三人で居たいのも本心なので行かなきゃいいのに空港行って自滅したりするわけです。

これホンマに春希が悪いんか...?

雪菜の誕生日での春希は(雪菜が一人でいるのを知らなかったとはいえ)クソムーブだと思いますが。

 

とまあそんな感じで理想と現実の齟齬に苦しみ続けることになるわけですね。春希を巻き込んで。

自分は彼女の非現実的な理想に共感できない側の人種なので最後まで彼女を好きになることは出来なかったです。

そうだよ。

 

あとついでに、彼女の異様な察しの良さとそれに伴う腹黒ムーブについてですが、あれは味があっていいと思います。こわいけど。

 

 

 

本当はまだまだ言いたいことがありますが、長くなりそうなのと言語化が難しいのと呪詛になりかねないのでこのへんで。

 

ではまた。